
フラッシュバックという言葉をご存知でしょうか?
フラッシュバックとは症状の名前です。
解離性障害やPTSDにおいて、フラッシュバックという症状は必ずと言っていいほどあります。
このフラッシュバックはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症するに至った過去のトラウマ体験を現在起きている出来事のように感じるという症状にはいくつかの特徴があります。
この記事では、フラッシュバックという症状について解説していきます。
フラッシュバックの症状とは
フラッシュバックは先ほども書いたようにトラウマが現在起きているように感じる症状です。
これを再体験や追体験という言われ方もします。
トラウマとはPTSDや解離性障害を発症するに至った原因のことです。
どのようなことが解離性障害やPTSDの原因となるかはこちらをご覧ください。
過去に起きた出来事を、様々な形で現在体験しているような状態になってしまうのです。
フラッシュバックという症状の出方は様々です。
大きく2つあげると次のようなものです。
- 映像としてのフラッシュバック
- 身体感覚としてのフラッシュバック
映像としてのフラッシュバックとは、映像がおりてくるような感覚です。
映像がおりてくるというのはフラッシュバックでよく使われる表現なのですが、今現在見ている視界に、過去が重なるような感覚です。
まるでその時のその場にいるように見えてしまうこともあります。
これと同時に、もう一つの身体感覚としてしてのフラッシュバックがあります。
これは、身体の感覚(触覚、嗅覚、味覚、痛覚など)がその時に戻ってしまうような感覚なのです。
このように、フラッシュバックとは過去に起こった出来事に戻ってしまうような状態になるのです。
いいかえれば、過去の体験をそっくりそのままもう一度繰り返し体験するようなものです。
これがフラッシュバックという症状なのです。
フラッシュバックにより併発する症状
フラッシュバックという症状により、別の症状が出る場合があります。
フラッシュバックが原因となり、身体症状が引き起こされるのです。
頭痛
フラッシュバックによる身体症状の一つが頭痛です。
この頭痛はフラッシュバックが起きる前、起きているときに症状が出ます。
この頭痛は歯のしみるような強烈な痛みで頭痛薬が効きません。
その代わり安定剤の服薬により、若干マシになることもあります。
しかし、フラッシュバックが強烈な時には安定剤によりマシになることもありません。
めまい
フラッシュバックによりめまいが生じることがあります。
そのめまいは強烈で、ひどいときには立っていることもできません。
めまいによるふらつきで転倒してしまうこともあります。
このような状態のときには無理に動くことはせずに、座っているか横になっていることをしなければ危険です。
過呼吸
フラッシュバックによる過呼吸はフラッシュバックが起きているときだけではなく、起きる前にも過呼吸が起きることもあります。
フラッシュバックを起こすことによる不安や緊張から過呼吸を起こしてしまうのです。
フラッシュバックとは過去のトラウマの再体験です。
つまりそこには強大なストレスや恐怖があるのです。
その恐怖からくる不安や緊張は想像を絶するほどに強大です。
それにより過呼吸を起こしてしまうのです。
フラッシュバックの症状への対処
フラッシュバックの症状に対してどのように対応したらいいかをここから解説していきます。
まず、フラッシュバックは病院へ通院し治療していかなければなかなか治療が難しいものです。
個人で対応しようとしないで必ず病院へかかることをおすすめします。
そのうえでの対処を解説していきます。
フラッシュバックが起きているとき、まずはその人が落ち着いている状態なのか、パニックになっているのかで対応は変わってきます。
パニック状態の場合には過呼吸を起こしやすいため、まずは呼吸をしっかりとできている状態にしなければなりません。
過呼吸が起きているときにはその状態をまず落ち着けるようにしましょう。
そして、落ち着いている場合もパニックの状態でも、安定剤はある程度有効です。
病院で処方されており、指示がある場合はそのように対応しましょう。
周囲の人は病院へ通院していることを知っている場合は、薬を処方されていないのかを確認し、服薬が難しい人には手伝ってあげてください。
さらにフラッシュバックを起こしている人は大きな不安状態にあります。
そのために、不安状態を落ち着かせてあげる必要があります。
フラッシュバック時には過去の体験時に戻ってしまっているので、今大丈夫であることや、今はその時ではないことを認識できなくなっています。
いまが危険ではないことを認識してもらえるように手を握ってあげるなど、今がその時ではないことがわかるようにしてあげてください。
そうすることで、再体験により過去に戻ってしまっていた意識が、現在に戻ってきます。
フラッシュバックの症状を軽減させる薬
フラッシュバックを無くす薬というのは継続して通院している私自身、ドクターに尋ねてもこれがあるとは言われたことはありません。
しかし、フラッシュバックの症状を軽減させるものがあります。
それが、漢方薬の組み合わせによる「神田橋処方」というものです。
これは「桂枝加芍薬湯と四物湯」の二種類の漢方薬を合わせて飲むものです。
実際に神田橋処方を処方されるようになってから、フラッシュバックの症状は軽減されている実感があります。
そのために、フラッシュバックにより引き起こされる症状も同時に軽減されます。
フラッシュバックの症状で悩んでいる方にはぜひ病院で相談してみてほしいです。
フラッシュバックの症状がある方へ
フラッシュバックの症状はとても大変です。
病院へかかっていない方は一度受診してみて下さい。
病院へかかっている方も、フラッシュバックが起きているときはとても脳や体の負荷が大きくなって疲れやすくなります。
そのためになるべく無理をしない生活を心がけてほしいです。