解離性障害とはどんな病気?《多重人格と記憶喪失の真実》

解離性障害かいりせいしょうがいという病気をご存知でしょうか?

もしくは「解離」やという言葉を聞いたことはありますか?

もしも聞いたことがなかったとしても、これらならば聞いたことがあるのではないでしょうか?

多重人格」「記憶喪失

どうでしょうか?

実はこれら、解離性障害の症状なのです!

このブログを運営している私、黒いちごと相方の白いちごは「解離性障害」と診断を受けています。

初めてこの病気を聞いた人も、すでに知っている人にも読んでいただきたいです。

解離性障害とはどのようなものなのかを解説していきます。

解離性障害の「解離」って何?

解離性障害と聞いても、ほとんどの方はピンとこないでしょう。

ドラマや漫画などの創作作品でも記憶喪失や多重人格は取り上げられています。

ですが解離や解離性障害となると普段聞くことがあまりない言葉です。

この病名の最初の部分にある「解離」

これだけを聞いてもどういう意味かは分かりませんね?

黒いちご
ではまず解離というものについて説明しましょう

 

解離とは「分解して離す」と書かれているように、切り離してしまうことです

何を切り離して今うのかというと、自らの感覚や意識を切り離してしまうのです。

そして解離という症状には大きく二つの種類があります。

日常的解離というものと、病的解離です。

それぞれについて解説しましょう。

日常的解離

誰でもが日常的に起こすものを日常的解離といいます。

このように聞いてもピンときませんよね?

日常的解離とは、このようなものです。

日常的解離の例
・携帯(スマホ)に夢中になっていて気づいたら4時間たっていた。
・ツイッターに夢中で声をかけられても気づかなかった。
・バスに乗ってぼーっとしていたらいつの間にか終点だった。

何かに夢中になっているときに、声をかけられても気づかなかったり、返事をしていても覚えていないという経験があるのではないでしょうか?

このような状態を日常的解離と言います。

日常的解離について国際福祉大学三田病院教授の平島奈津子先生がこのように書いておられます。

離人感や白昼夢のように、誰にでも一過性にみられる解離現象もあります。

公益財団法人日本精神医学界ホームページ平島奈津子先生に「解離性障害」を訊く より 引用

このように解離という現象は、誰もが起こすものなのです。

しかしこの日常的解離に対して、もう一つの病的解離というのは全く違ってきます

病的解離

病的解離とはいったいどんなものなのか、どのような症状があるか、例を挙げていきましょう。

病的解離の例
・買った覚えのないものがある。
・ここ3日間の記憶がない。
・自分が自分と認識できず、遠くから世界を見ているよう。
・ずっと住んでいる場所なのに、ここがどこかわからない。
・生まれてから今までの自分史年表が書けない

これらはほんの一部の例です。

日常的解離とは全然違うのがお分かりいただけますか?

厚生労働省のホームページにおいて、解離性障害について次のように記述されています。

解離性障害は、自分が自分であるという感覚が失われている状態といえるでしょう。たとえば、ある出来事の記憶がすっぽり抜け落ちていたり、まるでカプセルの中にいるような感覚がして現実感がない、いつの間にか自分の知らない場所にいるなど、様々な症状があります。

厚生労働省ホームページ より 引用

このように、自分の感覚や記憶、意識を普段から切り離してしまう状態病的解離と言います。

黒いちご
日常的解離とは全然違うのがわかりますね。
このような症状に気づいた場合は、精神科やクリニック、精神保健福祉センターへ相談するのが良いです。

ではさらに深く掘り下げていきましょう。

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解離性障害の症状とは?代表的な3つの症状

病的解離として先ほど説明しましたが、ここからは解離性障害についてもっと深く説明していきます。

最初に記述しました「記憶喪失」「多重人格」

これらにも専門的な用語が存在します。

記憶喪失とは解離性健忘と言われる症状のことなのです。

そして多重人格とは解離性同一性障害(DID)と言います。

この2つが代表的な症状になります。

解離性障害と言われる状態においても症状の程度は違います。

では実際の解離性障害の症状とどのようなものなのか

解離性健忘と解離性同一性障害も含めて、詳しく見ていきましょう。

症状1|離人感による現実味がなくなる

離人感離人症という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

人が離れると書く離人症ですが、離れる人というのは自分という意味なのです。

離人症とは、自分が存在している感覚がなくなるということなのです。

この「存在している」感覚。

一般的に人はどこにいても「ここにいる」ということすら考えることもなく「存在している」のです。

しかし、離人症というのはその「存在している」感覚が無いのです。

実際の体験
・自分の目に映っている世界がフィルターを通してみているような、テレビの映像を見ているような感じがしている。
・自分のことを少し離れたところから見ているような感覚がする。
・自分がしている体験を他人事のように感じる。
・生きている実感がない

小寺クリニックでは、離人症とはどんな病気ですか?という質問にこのように答えています。

生き生きとした実感がない。例えば、風景をみていても、なにかカーテンがかかっているような感じがする。聞こえてくる音も何か遠くで聞こえているような感じがする。あるいは、味や臭いがわからない等、いずれにせよ、ありありとした感覚がなくなっていると訴える患者さんがいます。こういう症状を離人症状といいます。

このように自分のことを自分のこととして感じられないような症状を離人症といい、解離性障害の患者にはこのような症状が見られます。

症状2|解離性健忘による記憶障害

記憶喪失と聞いて、頭に浮かぶものはドラマや漫画の創作作品で見るものではないでしょうか?

黒いちご
記憶喪失でイメージするのは何にも覚えてない人じゃない?

ちびいちご
うんうん、何にも覚えていない人をイメージするよ。

黒いちご
実際には一部の記憶がなくなっている状態も記憶喪失と言うんですよ

解離とは意識や感覚を切り離してしまうと説明しました。

解離性健忘とは記憶を切り離してしまった状態や意識を切り離してしまっている間のこと忘れている状態のことを言います。

この切り離して忘れている状態を記憶喪失というのです。

解離で出来事や体験を記憶から切り離すことで忘れるのです。

この解離性健忘というのは認知症とは全く違います。

周りから見ると忘れている状態で、本人もわからなくなっているのです。

しかし忘れているというのは出来事や記憶が全くなくなってしまったのではありません

記憶を切り取って、その記憶を本人もわからないような簡単に引き出せない場所にしまうのです。

記憶がない感覚についてはこちらをごらんください。

このように日常的に解離を頻発するようになることで記憶がなくなってしまう病気であるために、記憶の連続性はさらに失われます。

記憶の連続性を失うというのは過去の記憶がすべてつながっていないということです。

それにより、時間や日付が飛んでしまうことがあるのです。

 

 

全生活史健忘症

解離性健忘が最も進んでしまうと、全生活史健忘症(全史健忘症)という状態になってしまいます。

一般的にいう何もかも覚えていない状態の記憶喪失です。

自分が誰で何をしていたのか、どこにいたのかなど、すべての記憶を切り離し忘れてしまうのです。

国際福祉大学三田病院教授の平島奈津子先生は解離性健忘について次のように述べておられます。

解離性健忘は、一般的な出来事や社会常識などの記憶は保たれているにもかかわらず、自伝的な(個人的な)記憶だけが抜け落ちて思い出せないものです。心的外傷体験や強烈なストレス因に関連した記憶だけが選択(限局)的に思い出せないタイプがほとんどですが、まれに自分の名前も経歴も何もかもすべて思い出せない場合もあります。

症状3|多重人格って実は解離性障害!

解離性健忘では記憶や出来事を切り離していましたが、多重人格もあるものを切り離しているのです。

 

ある体験とは多重人格(解離性同一性障害)を発症する原因になる出来事のことです。

ちびいちご
解離性障害になるのに原因があるの?

黒いちご
多重人格(解離性同一性障害)になるのは、ちゃんと原因があるんです!

多重人格になる原因とは生命の危機を感じるほどの強大なストレスPTSD(心的外傷後ストレス体験)を発症するようなものです。

PTSDになるような原因としては大地震などの災害、戦争といったものもあります。

もっと日常に近いところに、レイプDVなどもPTSDとなる原因になります。

それが多重人格と言われる、解離性同一性障害(DID)の原因になるのです。

このような体験をすると、そのままでは耐え切れず、死に至ってしまうことがあります。

そのために、その出来事を含めた周囲の記憶を一緒に切り離し、高い壁の塀の中に隔離するような形をとるのです。

このように切り離し、記憶を隔離することで自分を守り、死に至らないようにするのです。

その切り離されて隔離されている部分が、別人格と言われるものになるのです。

つまり多重人格は、自分を守るための一つの手段の結果なのです。

国際福祉大学病院教授の平島奈津子先生は解離性同一性障害について次のように述べておられます。

解離性同一性障害(Dissociative Identity Disorder ; DID)は、一人の人間の中に複数の人格(パーソナリティ)が存在するような状態が見出されるもので、たとえば、自分では制御できない複数の思考の流れや発言を体験することがあります。それらの人格の一部がコミュニケーションをもっていることがありますが、他の人格の存在にほとんど気づかず、漠然とした気配としてのみ感じて恐怖を感じているだけのこともあります。DIDの大半が幼少期に虐待(特に性的な虐待)を繰り返し受けていると言われており、女性に多いことが知られています。

 

解離性障害って、薬や治療法はあるの?

記憶喪失や多重人格という特徴的な症状のある解離性障害。

病気であるため、治療が必要になります。

解離性障害の治療には大きく2つのものが必要になってきます。

1つは薬です。

しかしここで重要なことがあります。

解離性障害には、これで治ります、よくなりますといった治療薬はありません。

治療薬はないのですが、解離性障害でも安定剤を使います。

安定剤が脳の働きを抑え、症状を緩和させるのです。

実際に私たちも主に2種類の安定剤を使用しています。

安定剤のほかにも漢方薬を使用します。

漢方薬はフラッシュバックを軽減させるために使用します。

その処方は神田橋処方と言います。

もう一つが心理療法です。

心理療法とは心理士とのカウンセリングによる治療です。

心理療法も特別な心理療法を行うために、場合によっては入院をしながら心理療法を受けることになります。

その中の一つがEMDRです。

EMDRについては日本EMDR学会のホームページにこのように掲載されています。

EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に対して、エビデンスのある心理療法です。さらに、他の精神科疾患、精神衛生の問題、身体的症状の治療にも、学術雑誌などに成功例がしっかり記述されています。
EMDRは、適応的情報処理(AIP)というモデルに基づいています。このモデルでは、精神病理の多くが、トラウマ的な、もしくは苦痛でいやな人生経験が、不適応的にコーディングされた、もしくは、不完全に処理されたことによると仮定されています。これにより、クライエントは経験を適応的に統合する能力に障害を受けます。EMDRの8段階、3分岐の過程が健常な情報処理、統合の再開を促します。この治療アプローチでは、過去経験、現在の引き金、未来の潜在的挑戦をターゲットにし、現在の症状を緩和し、苦痛な記憶からストレスを減じたり、除いたりし、自己の見方が改善し、身体的苦痛から解放され、現在と未来の予測される引き金が解決するのです。

 

このEMDR、先ほど記述したように入院をしながらの治療になることもあります。

EMDRをすることによってトラウマの処理をしていくのですが、治療はかなり大変です。

そのために入院が必要な人も出てくるのです。

解離性障害とは「まとめ」

解離というのは誰にでも起こりうる現象です。

しかし、病気としての解離性障害には誰もがなるわけではありません。

それは同じ状況下にいたとしても、なる人とならない人がいるということです。

解離性障害になる原因には強大なストレスが関わっており、離人感や健忘などの症状から、様々な身体への症状もあります。

解離性健忘によって」、記憶がなくなってしまったり、連続性をなくす場合もあります。

多重人格として知られている解離性同一性障害(DID)も関係しており、人格の交代という症状を見せる場合もあります。

治療には、心理療法があり、症状の緩和のために薬を用いたりもします。

解離性障害はなかなか本人が気づくことができません。

そのために家族の方や周囲の方は異変を感じたら受診していただきたいです。

今回私が解離性障害を中心としたブログにしたのには理由があります。

私自身、さらに相方も解離性障害という生活でどのようなことが起こったのか、どのように変わってきたのかなどを、たくさんの方に知っていただきたかったからです。

多重人格や記憶喪失という言葉は知られていても、解離性障害についてはいろいろ知られていません。

患者数もあり、難しい病気なのですがたくさんの人に認知されていないために、理解もなかなかされません。

診断を受けていないけれど、解離性障害という人もいます。

しかし、この病気はひどくなると本当に大変になってしまいます。

実際にこの病気で悩んでいる方(それは本人であったり、周囲の人であったり)もいると思われます。

特に家族や周囲の人は、何なのかやどのように扱えばいいかが分からなければ本当に難しい病気です。

そこで、少しでもそのような思いの人に役に立てたらと、ブログとして記事にすることを決断しました。

実際の経験を踏まえられるからこそ書けることがあります。

病気の方、家族の方、友人の方、そのと大勢の方に知っていただきたく思い、さらにどのように病気に向かえば良いのか、知っていただきたいです。

そして病気の方やその周りの方には寛解(かんかい)に向けて共に歩んでいただけたらと思います。

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