
精神科でよく出されることがある薬の一つに眠剤があります。
これは、精神科で取り扱う病気には眠れなくなるものが多くあり、眠れないことが危険だからです。
このブログの運営者、黒いちごと白いちごは解離性障害という病気です。
この解離性障害でも眠剤を処方されることがあり、私たち自身も服用しています。
しかし、この解離性障害と眠剤にはメリットとデメリットがあります。
この記事では、解離性障害と眠剤のメリットとデメリットを体験談を中心に紹介していきます。
解離性障害と眠剤のメリット
解離性障害で眠剤を飲むことのメリットは一つ。
眠りやすくなるです。
当たり前、と言われればそうなのですが、解離性障害の患者が眠れなくなる理由は大きく2つあります。
- フラッシュバック
- 過覚醒
この二つの状態が眠れなくするのです。
眠れなくなることは、人間だれしも危険な状態です。
さらに、解離性障害の患者は脳が働きすぎてしまう傾向があり、脳に疲労がたまるためどうしても睡眠をとる必要があるのです。
それは脳の疲労は眠ることでしかとることが出来ないためです。
フラッシュバックで眠れない理由と脳の過覚醒
フラッシュバックはPTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こすような出来事が繰り返し今起こっているかのように再体験してしまう症状です。
つまり、命の危険を感じるような出来事を何度も繰り返し体験しているような状態になるわけです。
その結果、脳は極度の緊張状態、興奮状態を保ってしまいます。
それはつまり、脳が過覚醒状態にあるということです。
過覚醒状態は=興奮状態とも言えます。
そのために体も疲労状態になっていてもなかなか眠れなくなるのです。
解離性障害と眠剤のデメリット
解離という状態は自分の意識や感覚などを切り離してしまっている状態と言えるでしょう。
この状態は誰にでも起こるある状態に少し似ています。
それは「寝ぼけ」です。
人は寝ぼけて何かしているとき、記憶や感覚ははっきりとしていません。
つまり解離している状態と寝ぼけているときは全く違うのに似ているんです。
そのためか、解離性障害の患者は寝ぼけやすいんです。
それがなぜデメリットになるのかを体験談として書いていきます。
体験談1 誰なのかどこなのかわからなくなってどこかへ行ってしまう
解離しているときに起こるような、周囲の人が誰なのか、ここはどこなのかわからなくなる。
それが眠剤を飲んだ後に起こりやすいです。
解離性遁走に近いような状態なのですが、眠剤で寝ぼけている状態なので、ふらふらしています。
これが危険なのは、放っておくとどこかれ構わず寝てしまいます。
ここが解離と寝ぼけの違いにもなってきます。
解離性遁走ならば、そのままどこかへ行ってしまうでしょう。
しかし、これは眠剤で眠くなっている状態なので途中で力尽きて眠ってしまうのです。
実際に白いちごは玄関で力尽き眠っていたことがあります。
体験談2 感情の制御が難しくなる
解離性障害の患者は普段からいろんなものを押し込めて生活していることが多いです。
そのため、寝ぼけているときは普段抑え込んでいるものが爆発しやすいのです。
これは怒りという形でのみならず、悲しみや辛さという形で現れることもあります。
そのために攻撃的になる時もあれば、自殺願望が強くなることもあります。
しかしこれについては、フラッシュバックの症状がひどい状態の時が多いです。
体験談3 奇妙な行動をとる
奇妙な行動というと語弊がありますが、普段はしないようなことをしてしまうことがあるのです。
実際にあったことを3つあげてみましょう。
- 夜中にカレーを作っていた
- 夜中に塗装をしていた
- ベットで体操のように転がって落ちた
夜中にカレーを作っていたのは幸い、手を切ることもなくすんだので良かったのですが、切ってしまう危険性もありました。
塗装をしていたのには驚きましたが、これも被害はなく済みました。
ただ、ベットで体操の様に転がって落ちたのは全身に打撲や捻挫をする結果となってしまい、全治3か月でした。
眠るための対処法・工夫
メリットとデメリットをあげましたが、飲まないでいられないのかというと、眠れれば飲まなければならないということはないです。
注)病院での指示には従ってください
ですが、飲まなければ眠るのが難しいことがかなり多いです。
症状の状態によっては眠剤も一つではなく2つ処方されることもありました。
では眠りやすくするためにどのような対処法があるかをあげていきます。
対処法としては
- 漢方薬
- ストレスを減らす
- 体調の波を減らす
- 病院で相談する
などということがあげられます。
ここからそれぞれについて説明していきます。
漢方薬での対処法
眠れなくなる原因の中にはフラッシュバックの症状がひどく、過覚醒状態になってしまうというのがあります。
それを抑えるために、病院で漢方薬を処方してもらえる場合があります。
うちでもらっている漢方薬は2つの種類があります。
- 酸棗仁湯(さんそうにんとう)
- 神田橋処方(四物湯(しもつとう)・桂枝加芍薬等(けいしかしゃくやくとう)
まず一つ目。
酸棗仁湯はストレスを軽減させることで眠りやすくする薬です。
そしてもう一つが神田橋処方。
神田橋処方は四物湯と桂枝加芍薬湯の二つを組み合わせた処方のことです。
この神田橋処方はフラッシュバックによる症状を軽減させる効果があります。
私たち、黒いちごと白いちごも処方されて服用しているのですが、効果を実感しました。
頭の負担が減り、それにより頭の疲労が減りました。
これにより解離の症状も減りました。
これら漢方薬により、明らかに眠りやすくなりました。
しかし、症状がかなりきついときには、それでも眠りにくく感じました。
注)効果の感じ方は個人差があります
ストレスを減らすことでの対処法
ストレスを減らすことで眠りやすくなるように対処することもできます。
ストレスを減らす方法としては
- 自分の好きなことをする(運動・字を書いたり絵を描いたりなど)
- 乳酸菌によるストレス軽減
- 自然にふれる
- 自分のために時間を使う
など、様々な方法があります。
ストレス軽減にはそれぞれに違う方法を取りますので、自分がストレス減る方法を使うのがいいです。
実際にうちでもいろいろ試してみましたが、こういうことが出来ているかいないかでやはり眠りやすさは変わります。
乳酸菌によるストレス軽減はカルピスのサプリを使いました。
乳酸菌はたくさん種類があり、それぞれに効果が違います。
その中のこれはストレス軽減に効きます。
さらにGABAというストレス軽減に効果のある物質の入ったチョコレートやガムなども売っています。
チョコレートはなんとなく効果を感じましたが、ガムはいまいち感じられませんでした。
注)効果の感じ方には個人差があります
体調の波を減らす対処法
体調の変化は誰にでもあります。
解離性障害の患者にも、もちろんあります。
違うのは、解離性障害の患者は波が大きくなることが多いということです。
躁うつ病とは違うのですが、それに近いほどの体調の波がある場合もあります。
それは解離性障害になる原因のトラウマによるフラッシュバックが関係しているのです。
そしてこの波を減らすためにはこまめに休むことが一番です。
こまめに休むことで体の疲労を軽減させて、大きな体調の波を減らします。
体調の波を小さくすることで、頭が過剰に働きすぎる状態を減らすのです。
実際に、自分たちでも活動量を調整できているときと、できていない時では眠りは違います。
病院で相談する対処法
病院で相談するのは当たり前と言われそうですが、当たり前ではありません。
誰もが、相談できるわけではないからです。
さらに解離していると、自分の普段の状態がわかりにくいです。
そのため、解離性障害の患者が希望している場合には、家族が病院に付き添うことで本人のわからない状態を説明することが出来ます。
また、付き添えない場合には、紙に書くなどして渡してもらうこともできます。
まとめ
睡眠は誰にとっても大切なもの。
解離性障害の患者は、その症状から眠りにくくなったり、眠りが浅くなったりします。
眠剤を処方されている場合は、病院の指示にしたがって飲みましょう。
眠剤を飲むことで、問題が生じた場合は、病院に相談したり、家族で様子を見ましょう。