記憶喪失の現実とは!ドラマや漫画ではわからない記憶をなくした解離性障害患者が語る現実

記憶喪失と聞いたときにみなさんはどんな想像をしますか?

ドラマや漫画であるような記憶喪失でしょうか?

急に「あっ!」て思い出したりするような物語。

本当の記憶喪失は、ドラマや漫画に出てくるようなものではありません。

もちろん名前などの情報をすべて忘れている場合もあります。

しかし、記憶喪失というのは、部分的に忘れてしまっているものも記憶喪失と言うのです。

黒いちご
生まれてから今までの記憶をすべて忘れているものだけでなく、記憶を部分的に忘れている状態も記憶喪失なんですよ。

このサイトを運営している黒いちごと白いちごは解離性障害かいりせいしょうがいという病気です

実はこの病気の症状の中に、記憶喪失があるのです。

私たちはこの解離性障害の症状のために、記憶がすべてはありません。

私たちの記憶は抜け落ちていたり、なくしている記憶は別の人(人格)が持っているのです。

この記憶がない、抜け落ちている、ということはとても大変なのです。

解離性障害による記憶喪失。

記憶がないということはどのようなことなのでしょうか?

この記事では記憶喪失の現実について解説していきます。

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記憶喪失ってどんな感じなのか

 

先ほど話したように、記憶喪失はドラマや漫画などの創作物に出てくるイメージとは違います。

記憶喪失の思い出すことができないという感覚は、一般的な物忘れとは全く違います

物忘れと記憶喪失の違い

物忘れというと、誰にでもあるものですね。

  • あの場所はどこだっけ?
  • あの人の名前は何だったかな?

このようなものが物忘れですね

黒いちご
このように物忘れとは全然違います。
記憶がないと物忘れのように「えっと・・・」ということもないのです。

 

記憶喪失と物忘れの感覚の違いを表にしてみました。

次の表をご覧ください。

例) 物忘れ 記憶喪失
場所がわからない どこだっけ? 知らない場所
人がわからない あの人は誰だっけ? 知らない人

このように、同じことを忘れており、わからない場合でも全然違うものになります。

どこだったかや、だれだったかということを考えることができるのが物忘れです。

記憶喪失の場合は、それすらも考えることがないのです。

記憶がないことと、物忘れは本質が違います。

物忘れの場合は、人にあったり、その場所のことを知る出来事について覚えています。

しかし、記憶喪失の場合は、その出来事の部分がなくなってしまっているために、誰だったかやどこだったかなどを考えることもなくわからないということです。

物忘れは忘れていることがわかっているけれど、わからないという状態

記憶喪失は、忘れていることも分からず、何のこと?という状態

記憶喪失について重要なこと

記憶喪失について最も重要なことがあります。

記憶喪失の人は、自分が忘れていることもわからないのです。

先ほどの比較で話したように、忘れていることが分かっているのは通常の人が起こす物忘れです。

忘れていることを認識しているのが、物忘れ。

忘れていることの認識ができていないのが記憶喪失なのです。

この認識できているのかが、重要なポイントになってくるのです。

記憶がないということは、自分に記憶がないことも分からなくなっていること自体も分からないということ。

記憶喪失による生活への3つの影響

記憶がないことによる生活への影響は大きくあります。

通常は記憶があるから様々なことがわかりますが、記憶がないということは逆で、様々なことがわかりません。

わからないということは、生活に様々な影響をもたらします

その中でも特徴的なのを3つ紹介していきます。

自分の経歴がわからない

通常記憶がある場合、自分がどこの学校を出ているか、どのような仕事をしてきたのかなどがわかっていて生活をすることができます。

しかし、記憶喪失の場合、それができません。

記憶がない、もしっくは部分的に記憶がないために自らの経歴がわからないことがあります。

それにより怒ることの例として、履歴書を書くのに支障が出ます。

自分の最終学歴や、職歴、さらには資格なども書けないことがあります。

このような場合に、給与へ影響があることは言うまでもありません。

このようにわからなくなるのは、学歴や職歴のみではありません。

自分が生まれてから、今までの経歴を書くことができない場合も多いのです。

自分史年表というものを書いたことがありますでしょうか?

自分史年表とは、生まれてから今までの大まかな自分の年表です。

これを書くことができません。

つまり、記憶がないために、自分が今までどのように生きてきたのかがわからないのです。

この状態は、記憶喪失の人にとって、大きな不安感を生じさせます

不安というのはわからないことにより生じてきます。

それが、自分の人生、つまりはどのように生きてきたのかがわからないのですから、その不安は強大なものになります。

知っていた人がわからない

記憶喪失で困ることの大きなものの一つが「過去に知っていた人が誰なのかわからない」ということです。

これは想像以上に大変なことなのです。

例えばこのようなことがあります。

実際にありうる例
黒いちごさん、久しぶりです。お元気ですか?
えっと・・・どちら様でしょうか?
え、どうしたんですか、黒いちごさん。
3年も一緒に働いていたじゃないですか!
すいませんがちょっとわかりません、失礼します。

このように、過去に知っていた人が、わからなくなってしまうことは多々あります。

周囲からの理解が得られない

なかなか厳しい現実として、周囲の人が記憶喪失についての知識を正しく持っていないということがあります。

記憶喪失について、ドラマや漫画などの創作物で描かれています。

その、創作物で描かれているものが、記憶喪失についてのイメージになっています。

しかし、ほとんどの人は現実に記憶喪失が起こることを認識していません。

あくまで創作物の中の世界、ファンタジーのようなものだという考えがあるのです。

創作物では記憶喪失の人が、「あ!」と急に思い出したりしますが、現実にはそのようなことはありません。

創作物による間違った知識が、周囲の人の理解を妨げる原因にもなっているのです。

記憶喪失では、家族のことも忘れていしまうことがあります。

現実では急に思い出したりすることはありません。そのために、いつまでも思い出せないことを怒ったりしてしまう場合があります。

怒ることは記憶を思い出すことの妨げになってしまうことを知らないために、余計に思い出せない状況を作ってしまう場合がるのです。

なぜ記憶喪失になる?解離性障害と記憶をなくす原因

 

初めに記憶喪失というのは解離性障害という病気の症状と書きましたが、記憶がなくなるのには原因があります。

ちびいちご
記憶がなくなるのには原因があるの?

黒いちご
そうです、原因がなく記憶はなくならないし、解離性障害になるのには原因があります。

解離性障害を発症するのにはちゃんと原因があり、何もなしに発症するわけではありません。

解離性障害を発症する原因には、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症するほどの、命の危機を感じるような強大なストレスが関わっているのです。

命に係わるほどの強大なストレスを受ける際、人間は現実に自分に起こったこととして受け入れることができない場合があります。

そして、現実の出来事として受け入れられず、なかったこととしてしまう、切り離してしまうのが解離です。

その時に解離させるのはその出来事のみではなく、周辺の記憶も一緒に解離させ、切り離してしまうのです。

これにより、記憶は切り離され、記憶を切り離すことで、記憶がなくなり記憶喪失になるのです。

多重人格による人格交代による記憶喪失

解離性障害の人の記憶がなくなるのには、もう一つ解離性障害ならではの大きな理由があります。

解離性障害の特徴ともいえるものに、解離性同一性障害(DID)、いわゆる多重人格があります。

解離性障害になるようなPTSDなどを受けた際に記憶を切り離して自分を守ろうとします

しかし、出来事はなくなるわけではありません。

そのために記憶を担うものが必要になり、人格をも分けてしまうことがあります。

これが解離性同一性障害であり、多重人格です。

多重人格についても併せてごらんください。

記憶と一緒に人格まで切り離してしまっている解離性同一性障害。

しかし、多重人格による、記憶喪失とはこれだけではないのです!

多重人格は記憶が連続していない

 

 

解離性障害の中でも解離性同一性障害の人は、記憶が連続していません。

では、記憶が連続しないとは、一体どういうことなのでしょうか。

その1 多重人格による記憶の断裂

解離性障害の中でも解離性同一性障害の人は、知人であっても、その人が誰なのかわからなくなります。

その原因には人格の交代があるのです。

多重人格と聞くと人格が変わることはイメージがつくでしょう。

この人格が交代するとき、記憶が連続しません

人格Aから人格Bに交代したときに、AとBの記憶は連続していないのです。

周囲から見ると外見も変わらない同じ人であっても、人格は変わっていることがあります。

それにより、時に家族や大切な人物であっても忘れてしまうことがあります。

家にいて、家族と一緒に過ごしていたとしても、人格の交代によって「あなたは誰?」になることがあるのです。

家族や周囲の人にとって、人格が交代していることがわかっていても分からなくても、忘れられているということは受け入れがたいことです。

家族であっても、一緒に暮らしていたとしても、いつもいる人ですらもが、わからない、知らない人になってしまうのです。

実際の体験
私と相方のあいだでよくある会話が、「あんた誰?」です。朝起きておはようとあいさつをすると、「ちょっとあんた誰よ?人のうちで何やってんの!」というように、人格の交代によって私のことも分からなくなってしまったりもします。家族であろうと親しい間柄であろうと、これが多重人格の人に起こる症状なのです。

ここで知っていてほしい、とても大切なことがあります。

忘れてしまうこと、わからなくなってしまうことで周囲の人は悲しさや戸惑いなどがあるかもしれないですが、一番大変なのは忘れてしまっている本人なのです。

解離性同一性障害の人の人格を仮にAとします。

それが急にNという人格に交代してしまったとします。

すると人格Nの置かれた状況は、急に知らない場所だったりに自分がいて、さらに目の前には知らない人がおり、その知らない人は自分に対して話しかけていたり、場合によっては一緒に何かをしていたりすることもあります。

何をしている状況かは、その時次第ですが、その急な状況に人格Nは驚きや混乱、さらには恐怖を感じることもあるのです。

みなさんも同じような状況に突然なったら、混乱し恐怖を感じるのではないでしょうか?

その2 記憶がないと場所も分からない

人格の交代による記憶の連続性のなさはほかの部分にも出てきます。

それが場所、自分がどこにいるのかです。

周りの人からすると、ずっと同じ場所にいたとしても、人格が違えば場所もわからなくなります

「ここはどこ?」になり、突然に自分が知らない場所にいることはやはり怖さがあるのです。

実際の体験
私の体験ですが、いつも住んでいる町を歩いていても、ここがどこなのかわからなくなることがあります。ずっと暮らしている町です。方向や建物の場所がわからなくなるとかではありません。さっきまでもそこにいたはずなんです。ですがその時、その場所がどこなのか、わからなくなっているのです。「ここはどこだ?」という状態なのです。解離が解けてきたときにようやくどこなのかがぼんやりとわかり始めてくるのです。

人格の交代によって記憶は連続しなくて様々なことがわからなくなります。知っている人のことがわからなくなったり、いつもいる場所がわからなくなったりもします。

家族や周囲はどうすればいいのか

解離性障害患者の家族の方や、周囲の方は、わからないということに戸惑いやイラつき、悲しさなど、様々な感情がわいてくるのではないかと思います。

ですが、解離性障害の治療には家族や周囲の力は欠かせませんし、どういう状態になっていて、対応の仕方がわかれば家族の方の大変さも軽減させることができます

解離性障害の治療には安心と安全が欠かせない

解離性障害の治療上、ものすごく大切なことが安心と安全です。

急に人格が交代してしまってあなたのことがわからなくなってしまったりしても、決して怒ったり怖さを増幅させるようなことをしないでください。

怒ったりすることは逆効果になってしまい、解離することを助長してしまうことになるのです。

まず第一に、安心してもらえるようにしましょう。

人格が交代していることに気づいたとき、その人格がどういう状況になっているのかをよくみてください。

あなたが誰なのか、ここがどこなのか、今がいつなのか、などをわかっていますか?

いずれもわからなくても、怒らないで責めることはせずに、優しく教えてあげてください。

その人が怯えていたら、大丈夫ということと安全だということがわかるように、安心できるよう声をかけてください。

あなたは相手が誰なのかわかっているのですから、相手はじぶんのことがわからなくなっているということを知って、助けてあげてください。

なかにはあなたが声をかけても無視する人もいるかもしれません。

それでも怒ったり責めたりしないでください。

それはあなたが誰かわからなくなってしまっていて、知らない人に声をかけられていて怖いと感じていて、あなたから見ると無視になっているかもしれません。

しかし、決して無視してやろうとか、いじわるしようとしているわけではないことを知っていてください。

わからないことを聞かれることは大変

普段聞かれても問題ないのですが、わからなくなっている時や、わからなくなっていることを聞かれることはものすごく大変で負担です。

頭が混乱している時に、いろいろ質問されるのはさらなる混乱へとなっていきます。

特に大変なのが、「いつ」「なにしていたか」です。

いつどうだったか、何月や何年前や、はっきり言って答えられないことがいっぱいあります。

さらに何をしていたかも答えられないこともあります。

わからなくなるのは病気の症状によるもので、決して患者が意図的にしていることではないということをどうか理解していただきたいです。

人格交代はコントロール不可能

 

解離性同一性障害(多重人格)の人におこる人格交代は自由にコントロールをすることは決してできません

人格の交代をコントロールなんていうものは、不可能と断言します。

コントロールできないがゆえに、変わってしまった時の人は恐怖感があったりするのです。

そして大切なことは、決して忘れたくて忘れているわけではありません。

忘れたくない人や物事も、わからなくなってしまうのです。

重要ポイント
このように、自分でコントロールすることができないこと、忘れたくないことでも忘れてしまい、忘れていることも認識できないから解離性障害と言う病気なのです。

まとめ

記憶喪失は解離性障害の症状の一つです。

解離性障害の人が記憶喪失なのは解離性障害になる原因(PTSD)も大きく関係しています。

そして解離性同一性障害(DID)、いわゆる多重人格の場合、記憶は連続性を失ってしまいます。

そのために、解離性障害の人は記憶がないのです。

患者さん本人には、事由に人格の交代をコントロールすることは不可能であり、技としようとしてなっているわけではありません。

そのため患者さんのご家族や周囲の人は逆効果になるので、決して怒ったりせずに、接してあげることが必要です。

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