
クエン酸は疲労回復に良い。
一度は聞いたことがありませんか?



今回の記事では、クエン酸にはどのような効能があるのか、本当に疲れを取るのかを解説していきます。
クエン酸とは
まず、クエン酸って何者?というところから入っていきましょう。
レモンなど、柑橘類を食べたときに、酸っぱい!と感じるかと思います。
あの酸っぱいと感じるものの正体がクエン酸です。
さらに、クエン酸とはもともと体内にも存在するんです!


それでは、ここからクエン酸の効能を解説していきます。
クエン酸の効能
それではクエン酸の効能を見ていきましょう。
クエン酸には大きく3つの効能があります。
乳酸の除去
よく疲れの成分と言われる乳酸。
まずはこちらの乳酸がどのように生じるのかをご覧ください。
運動時に筋肉を収縮するためにはエネルギーが必要です。筋肉を動かすためのエネルギーは、筋肉に蓄えられている糖質の一種である筋グリコーゲンが分解され、ATP(アデノシン三リン酸)が作り出されることで産みだされています。筋グリコーゲン(糖)の分解時には乳酸も同時につくられます。乳酸は酸素の供給される活動や運動(日常生活動作やジョギングなど)よりも無酸素性の激しい運動(短距離走など)でより多くつくられます。
健康長寿ネット より引用
このように乳酸とは、筋肉を動かすときに必要なエネルギーを分解するときに生成される物質なのです。
この乳酸を除去する働きがあるのがクエン酸です。
これは体内で行われているクエン酸回路によって血液中の乳酸量を低下させる働きがあるのです。
そしてクエン酸は直接疲労にかかわるのではないことも分かってきています。
乳酸が作られる過程で発生する水素イオンなどの作用で、筋肉のpHバランスが酸性に傾くことが疲労の一因と考えられています。血液中の乳酸は、肝臓でグリコーゲンに再合成され、再びエネルギー源として利用されます。
厚生労働省ホームページ より引用
このことから、クエン酸は乳酸を減らすが乳酸は疲労物質ではないことがわかります。
乳酸がたまって疲労するというのは違ったということです。
ミネラル吸収の促進
クエン酸の摂取により鉄・マグネシウムの吸収を助ける働きがあるとされています。
これらの鉄やマグネシウムというのはミネラルの中の一つです。
ミネラルとは
生体を構成する主要な4元素(酸素・炭素・水素・窒素)以外のものの総称で、無機質ともいいます。
ミネラルは体内で合成できないため食物として摂る必要があります。不足した場合は欠乏症やさまざまな不調が発生しますが、摂りすぎた場合にも過剰症や中毒を起こすものがあります。厚生労働省ホームページ より引用
このようにミネラルというのは過剰摂取はよくないですが、必要な物質であることも分かります。
特に鉄分などは貧血の人によく聞くのではないでしょうか?
クエン酸にはその鉄分を吸収するのを助ける働きがあるのです。
実際に、データとして鉄分の吸収率がクエン酸の摂取により3.9%から54%に上昇した研究結果もあります。
6 Eur J Nutr. 2007 Mar;46(2):95-102. PMID: 17225920 より参照
抗酸化作用
抗酸化作用、最近よく聞く言葉ですね。


酸素は体の中で栄養素と結びついてエネルギーを作り出します。ところが体の中に入った酸素がすべてエネルギーを作るために使われれば良いのですが、使われなかった分は酸化してしまいます。簡単に考えると「さび付いた状態」になるということです。金属にさびが出た状態を想像してください。それと同じ現象が体の中で起きると考えてください。一度酸化がおき始めるとどんどん連鎖反応で進んでしまうのです。
体の中の機能がさび付くと正常な働きが出来なくなり、糖尿病、高脂血症、肝臓の機能の低下などなどの生活習慣病といわれる問題が起きてきます。体の中を錆付かせないようにするのが「抗酸化作用」(酸化を抑える作用)と言えます。日本抗酸化学会ホームページ より引用
このように、呼吸により取り込んだ酸素の余りが錆びてしまい酸化するのを防ぐ。
これが抗酸化作用なのです。
この抗酸化作用によって様々な生活習慣病やガン、さらには白髪やしみ・しわといった老化までが予防できるのです。
体が酸化した状態は疲労がたまっている状態とも言えます。
逆に言えば、抗酸化作用を起こさなければ、それだけ病気や老化のリスクが高くなり、体には疲労がたまっている状態であるということです。
クエン酸回路(クエン酸サイクル)
クエン酸回路とは生命がエネルギーを作り出すための体内燃焼のことです。
1937年にイギリスの生化学者、ハンス・アドルフ・クレブス博士によって解明され、1953年にノーベル賞を受賞した学説です。
人間が生きるためにエネルギーは欠かせないものです。このエネルギーは「クエン酸サイクル」というエネルギー生産工場で作られます。
下図のように食事によって得られた栄養素はオキサロ酢酸と結合し、最終的にクエン酸となります。
そして順次に、cis-アコニット酸 → イソクエン酸 → アルファケトグルタル酸 → コハク酸 →フマル酸 → リンゴ酸 → オキサロ酢酸と8種類の酸に変化し、その量が徐々に減っていきます。そして減った分だけが熱(エネルギー)、炭酸ガス(吸気)、水(尿・汗)となって燃えていくことになるのです。このクエン酸サイクルがスムーズに流れないと身体に不調が生じ、身体の中にピルビン酸(焦性ブドウ酸)や乳酸がどんどんたまっていきます。
クエン酸回路を潤滑に回す一番手っ取り早く簡単な方法がクエン酸を摂取することです。クエン酸サイクルが活発になると、乳酸やピルビン酸もクエン酸サイクルに入り燃えていき、エネルギーの素としてどんどん活用されていきます。クエン酸は健康に良いと言われていますが、まさにこのサイクルがその秘密なのです。株式会社アリストホームページ より引用
ここで説明しているエネルギーとはATP(アデンシン三リン酸)のことを言います。
高校で生物の授業の中にも出てくるので聞き覚えのある方、初めての方、いると思いますがATP=エネルギーというように高校生物では習うと思います。
そのためクエン酸回路の別の言い方としてATP回路という言い方もあります。
掃除に活用
このクエン酸ですが体内で働くのみではありません。掃除にも役立ちます。
なぜならクエン酸は酸性だからです。
クエン酸のph(ペーハー)の値は2なので酸性なのです。
酸性ということはアルカリ性のにおいや汚れに効果があります。
石鹸百貨 参照
アルカリ性のものだと、水垢やトイレ掃除などには有効ということです。
逆に言えばアルカリ性以外のものには効果を発揮しないということです。
クエン酸の効能で疲れを取ろう!
クエン酸にはたくさんの効能があります。
なかでもクエン酸回路というエネルギーを生み出すのに大切な役割や、抗酸化作用という様々な病気を予防する役割があります。
さらに、クエン酸をとることでミネラルの吸収率も変わってきます。
クエン酸は健康にとって大切なもの。
特に、貧血の方は鉄分の吸収の仕方がよくなるので、ぜひクエン酸を活用してほしいです。