
最近書店に行ってもよく見かけるようになりました。
マインドフルネスという言葉。
しかしマインドフルネスって聞いても、「なにそれ?」
ってなりませんか?
正直に言いますけれど、本を見てもよくわかりませんでした!
どころかマインドフルネスとは何ぞや?
と逆にはてなマークが飛び交ってしまいました。
よく「○○マインドフルネス!」とかって書いた本が売っていますね。
みなさん読んだことありますか?
理解できました?
今回はマインドフルネスとは何なのか、実際に臨床心理士の先生に教えてもらったことを踏まえながら解説していきます!
マインドフルネスとは
マインドフルネスとは何なのかを説明していきます。
まずはこちらをご覧ください。
東京大学大学院教育研究科附属心理教育相談室のホームページに掲載されている2016年9月の第11号年報の中で、森田療法研究所所長である北西クリニックの北西憲二院長がこのように書かれています。
マイ ンドフルネスは、仏教と精神医学・心理学との出会いと 関係しますが、 「気づき」というのが本来の意味です。
アメリカで臨床心理士として長く活躍した大谷彰氏が 最近お書きになった「マインドフルネス入門講義」から 引用しますが、マインドフルネスは「 『今ここ』での体験 に気づき(awareness)、それをありのままに受け入れる 態度および方法」と定義されます。これは言われればそ のとおりなんですが、いかにこれが難しいか、という話 は後でします。
ここで書かれていることからわかりますように、マインドフルネスとは、「今起きている体験に気づき、ありのまま受け止める」ということです。
実際に私が臨床心理士の先生から教えていただいたのも同じことでした。
臨床心理士の先生が教えてくれたのはこのように言いました。
「黒いちごさんの感じる気持ちに気づいて、そのまま感じるんですよ。いいことも嫌な感情も、そのまま味わうんです」
このように話してくれました。
これを聞いたときはまだマインドフルネスの難しさに気づきませんでした。
マインドフルネスとは気づき、ありのまま受け止めることなのです。
なぜこれらが難しいか、わかったらすごいと思います。
実際にやってみたらわかりますが、自分の本当に感じていることに気づくということの難しさ。
さらにそれを、ありのまま受け入れることの難しさ。
これらを踏まえたうえで、ここからはマインドフルネスを実践できるようになるまでの練習も踏まえていきます。
マインドフルネスの練習 レーズンを食べる
マインドフルネスのために臨床心理士の先生が用意してくれた練習法があります。
レーズンを食べるというものです。
これは実際に食べてもいいし、想像で食べてもいいようです。
それでは始めます。
まず、レーズンを手に持ちます。
その時に、レーズンを感じてください。
レーズンはどんな触感をしていますか?
やわらかいですか?かたいですか?
レーズンはどんな重さですか?
次ににおいをかいでみます。
どんなにおいがしますか?
甘い匂いですか?酸っぱい匂いですか?
レーズンを口の中に入れてみましょう。
味はどんなですか?
噛んで見るとどんな感じがしますか?
感で味は変わりましたか?
ゆっくりゆっくり噛んでください。
だんだんレーズンがなくなっていきますね。
このようにレーズンを食べることを細かく細分化していきながら、様々なことを感じるのです。
レーズンの触感、味、かたさ、におい、様々なものを感じるのです。
これがマインドフルネスにおいての、気づきありのまま受け止めることにつながっていくのです。
このようにして、自分が何を感じているのかを気づくことと、ありのまま受け止めることの練習をしていくのです。
マインドフルネスを実践してみよう
マインドフルネスとはどのようなものかはわかり、練習もしてみました。
ここからが難しいところです。
実践してみましょう。
気づくことというのは、自分の状態に気づくことです。
それは体のことはもちろんなのですが、難しいのは心の状態です。
皆さん、自分の感情に気づけていますか?体の疲れに気づけていますか?
結構難しいのが、「負の感情」と言われているものです。
負の感情とは、「疲れた、嫌だ、やりたくない、つらい、苦しい、悲しい、イライラ・・・・」
といった、ちまたでマイナスの感情などと言われやすいものです。
みなさん、気づけていますか?
まずはこの自分が何を感じているのかを「気づく」
ここがスタートなのです。
良いことにも、嫌なことにもまずは気づくことです。
気づいたらどうするのか、「ありのまま受け止める」でしたね。
でもうまくいかないのは頑張りが足りないからもっと頑張らないと・・・
いま落ち込んでいることに気がついたんだね?
落ち込んでいるのに、その気持ちをありのまま受け入れずに頑張りが足りないせいだと言って落ち込んだ気持ちをなくそうとしていますよ
このように、人間は負の感情やマイナスの感情と一見言われるものに対して、見ないようにしようとする傾向があります。
この場合どのようにするとよいか。
それは「あ、私落ち込んでるんだな」
でいいのです。
例えば、楽しいやうれしい気持ちをプラスの気持ちということにして、悲しいや苦しいをマイナスの気持ちということにします。
プラスもマイナスもどちらの気持ちに対しても、感じたままを感じるのです。
これが非常に難しいです。
「疲れた・苦しい」
と感じることがあったとします。
そんなときに「疲れたよ、苦しいよ」
と感じられていますか?
「いや、大丈夫。まだまだ全然大丈夫」
こんな風に考えていませんか?
私は解離性障害という病気なのですが、解離という現象がをご存知でしょうか?
解離とは、感情や感覚、記憶などを切り離してしまう病気です。
解離性障害の人にとってこの考え方は特に致命的になるのです。
なぜかと言いますと、これが解離になっていくからです。
感情をないものにする、これは一種の解離でもあるのです。
つまり「疲れた」をそのままとらえることをせずに、「まだまだ大丈夫」というように疲れたを無くしてしまうのです。
つまり解離性障害の人がマインドフルネスを練習するのは、解離しにくくなるためでもあるのです。
解離性障害以外の人についても同じです。
このように、自分が感じた感情をなくしてしまうことは何も良いことではありません。
自分の感情を封じ込めていってしまうのです。
これによりストレスや疲労はだんだん大きくなっていき、大きく爆発してしまうこともあります。
それこそ、解離するようになってしまうかもしれません。
そのためにも、このマインドフルネスをっ知ってほしいのです。
気づく、そしてありのまま受け止める。
これは本当に難しいですが、とても大切なことなのです。
マインドフルネスをやるようになっての変化
マインドフルネスをやるようになって変わったことがあります。
意思をはっきりと伝えることができるようになったことです。
自分が今何を感じているかを知ったことで、はっきりと自分の意志を伝えることができるようになっていったのです。
自分がまず本当はどんなことを感じているのかがわかりませんでした。
疲れていることや、大変なことも感じないようにすることでいうこともなかったのです。
しかし、このマインドフルネスをするようになって、自分が今どんな状態なのかや、何を感じているのかを気づくことができました。
そして、気づいた感情をなくさずに、疲れも大変なこともそのまま感じられるようになったのです。
人の感情はいいものばかりでありません。
楽しいことやうれしいことばかりではなく、大変なことや苦しいという感情もあります。
こういった感情をそのまま受け止めるというのは大変ですが、それができたときにとても楽になりました。
解離性障害の私にとっては、もう一つ大きな効果がありました。
それは、解離が減ったことです。
それまでは、どこにいるのかや、今がいつなのかなど、わからなくなることが頻繁にあったのです。
それが随分となくなったのです。
全くないわけではありませんが、今現在はかなりそういったことがなく、記憶も途切れなくなってきています。
これは大きな変化なのです。
マインドフルネスとは まとめ
マインドフルネスとは、気づきありのまま受け止めることです。
気づくことも難しいですが、さらにありのまま受け止めることはとても難しいことです。
しかし、このありのまま受け止めることができるようになれば、とても気持ちは楽になっていきます。
自分の気持ちを押し殺したり、なくしたりするのではなく、楽しいことも、嫌なことも、そのまま感じるのです。
今の自分をありのまま受け止めることはとても難しく、特にマイナスの感情については否定しがちになってしまいます。
マインドフルネスとは気づきありのまま受け入れること。
是非マインドフルネスを実践してみて心を楽にしてみませんか?